規格外だったのは、イチゴじゃなくて『私たちの常識』でした。
女子大生と農家とマドレーヌ屋の、11ヶ月の挑戦記録。
米粉のまどれーぬ「いちご味」がどのようなプロセスを経て販売に至ったか、購入を検討されている方々にぜひ知っていただきたく、想いを込めて書き綴りました。ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
北海道富良野市。ラベンダーの香りが風に乗るその大地に、ひっそりと、けれど力強く輝く「いちご」たちがいました。
それは、旬の時期に収穫され、美味しさをそのまま閉じ込めた「冷凍いちご」でした。 決して「捨てられるもの」ではありません。小野農園さんは、少し形が崩れたり小さかったりするいちごも、決して無駄にせず冷凍加工して販売されていました。その「あるものを大切にする」という考え方は、私たちマドマドレの理念とも深く響き合うものでした。
私たちはInstagramでその存在を知った時、直感的にこう思いました。
「この農家さんを応援したい。この素晴らしいいちご作りを、もっと持続可能なものにしたい」
その想いが、新しいマドレーヌ開発の原点となりました。 主役は、富良野産いちご100%。 凝縮された甘酸っぱい香りを、そのまま焼き菓子に閉じ込める挑戦が始まったのです。
2025年3月、私たちは小野農園さんに連絡を取りました。 そして5月、待ちに待った冷凍いちごが届きました。
商品を見た瞬間、私たちは息をのみました。
「なんて美しいイチゴなんだろう」
ヘタがきれいに取られ、一粒一粒がキラキラと輝いている。どこが「規格外」なのか、私たちには分かりませんでした。むしろ、スーパーに並ぶどのイチゴよりも、作り手の愛情が詰まっているように見えました。
この感動を、そのままお菓子に閉じ込めたい。 その瞬間、「マドレーヌにしよう!」とひらめいたのです。
「また一緒に、商品開発しませんか?」
私たちがすぐに連絡したのは、以前から連携していた藤女子大学の学生たちでした。 次世代を担う彼女たちなら、この「もったいない」を新しい価値に変えてくれるはずだと信じていたからです。
開発会議は、単なる「味見」では終わりませんでした。 彼女たちは本気でした。「もっとしっとり感が欲しい」 「イチゴの酸味を立たせるべき」 味への妥協なき意見交換はもちろん、議論は販売戦略にまで及びました。
私たちが作った店頭POPのデザイン案に対して、学生たちから鋭い意見が飛びました。
「文字が多すぎます。もっと余白を増やして、シンプルに伝えましょう」
ハッとしました。私たちは「伝えたい」という想いが強すぎて、情報を詰め込みすぎていたのです。作り直したデザインは洗練されたものになり、代表は 彼女たちの感性に驚かされました。
規格外だと思っていたのはイチゴではなく、私たち大人の「凝り固まった常識」だったのかもしれません。
そうして、小野農園さんを知ってからちょうど11ヶ月。来たる2026年1月15日(いちごの日)。ついに、私たちの自信作が世に出ます。
マドマドレのマドレーヌを焼き上げているのは、就労継続支援B型事業所「ベジタブル」で働く仲間たちです。
「誰かの役に立ちたい」 「美味しいと言ってもらいたい」
そんな純粋で素直な想いが、一つひとつの丁寧な仕事に表れています。 素材にも妥協はありません。
● 北海道産米粉100%使用(グルテンフリー)
● 北海道産のバター、卵、蜂蜜、牛乳を贅沢に使用
● 着色料不使用
北海道の大地の恵みと、人の温もりだけで作られた、身体に優しいお菓子です。
このマドレーヌ、実は「温める」と劇的に美味しくなることをご存知ですか?
袋から出して、電子レンジ(500W)で約15秒〜20秒。 たったそれだけで、バターの香りがふわっと立ち上がり、焼きたてのような「ふわっ、しっとり」食感に生まれ変わります。
口いっぱいに広がる富良野いちごの甘酸っぱさと、米粉ならではの優しい甘さ。 ぜひ、この「魔法」を体験してください。
このマドレーヌは、ただのお菓子ではありません。 農家さんの「愛情」、学生たちの「情熱」、そしてフードロスをなくしたいという「未来への願い」が詰まったバトンです。
なので、私たちは、このプロジェクトを「未来へ届け、いちごのエール(応援)」と名付けました。
● 大切に育てた農家さんへのエール
● 商品開発に挑んだ学生さんへのエール
● 丁寧に焼き上げた作り手へのエール
そして、これを手に取るあなた自身への、明日へのエール。
このマドレーヌを購入することは、単なる消費ではありません。農家さんの「今あるものを大切にする」という想いに共感し、関わるすべての人を応援する「循環」に参加することなのです。
米粉のまどれーぬ いちご味をご自身へのご褒美はもちろん、これから迎える受験シーズン、頑張る誰かへの「エール」として贈っていただけると嬉しいです。